ビジネス

ZOZOも参入のビジネススーツ 低価格オーダーは主流になるか

受注の出足好調なZOZOのオーダースーツ(同社HPより)

 クールビズの定着や団塊世代の大量定年退職などで、ビジネススーツの販売が低迷している。総務省の家計調査でも1世帯当たりの背広服への支出額は2000年に比べて半分以下に減っている。近年は低価格のオーダースーツもあちこちで売られているが、この先スーツ市場はどうなってしまうのか。ファッションジャーナリストの南充浩氏がレポートする。

 * * *
 洋服ブランドのインターネット通販モール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイが、先ごろ、自社ブランド「ZOZO」で、オーダースーツを発表しました。定価3万9900円のオーダースーツです。

 同社は「フルオーダー」と説明していますが、価格的に見て、フルオーダーというより、おそらくは「パターンオーダー」に近いのではないかと見ています。オーダースーツに先駆けて、ジーンズとTシャツを発表しましたが、これもウェブサイトではパターンオーダーとなっています。

 メディアはZOZOのオーダースーツを大々的に報じ、そのおかげもあって業界関係者によると、受注の出足は好調と言われています。そのため当初8月納品だったのが10月に先送りされているようです。

 しかし、メンズスーツにおいて、オーダースーツ、とくに低価格パターンオーダーは実は10年以上前から大手紳士服販売店を中心にあちこちの企業やブランドが仕掛けていたのです。ZOZOが目新しいことをやったのではありません。

 その前に少しだけ、オーダースーツの種類をおさらいしておきましょう。フルオーダーとパターンオーダーは、同じオーダーといってもまったく作り方が異なります。

 パターンオーダーとは、標準となる形が決まっており、各部位を採寸したのち、「ゲージ服」と呼ばれる標準のモデルを着用し、差異を計測して、それを修正して仕上げます。形は決まっており、そのパターン(型紙)をサイズに合わせて微修正するオーダーなのです。これは比較的低価格で作ることができ、業界平均価格ではだいたい2万~4万円くらいです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
逮捕された村上迦楼羅容疑者(時事通信フォト)
《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《広瀬すずのぴったりレギンスも話題に》「アスレジャー」ファッション 世界的に流行でも「不適切」「不快感」とネガティブな反応をする人たちの心理
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン