芸能

AKBメンバーが韓国デビューに挑戦 PRODUCE48の魅力

韓国・金浦空港に到着したAKB48竹内美宥(時事通信フォト)

 毎週金曜夜11時、K-POPのディープなウォッチャーであるライターのまつど☆たまき氏が、そわそわしながら待つ番組があります。“会いに行けるアイドル”AKB48グループと、国民(視聴者)がデビューメンバーを決定する韓国の人気オーディション番組PRODUCEシリーズとのコラボ番組『PRODUCE48』(BSスカパー・Mnet)です。実力も華もあるのに運がなかった韓国の練習生たちの活躍は見守りたい、忖度で上位という心ない声も飛ぶ宮脇咲良だけどカワイイのは認めざるを得ないよね、矢吹奈子は実力あるんだからもっと強気にガツガツいっていいのに! など参加者すべてにエールを送るまつど☆たまき氏が、夢のコラボ番組についてやさしく解説します。

 * * *
「あなたたちは今、日本で活動してますよね? 日本でもオーディションを受けたでしょ? 何で選ばれたんですか?」

 射るような視線をした韓国人審査員の情け容赦ない言葉が飛びます。凍りつき、目を伏せた少女たちは、日本から来た「AKBグループ」の現役アイドルたちです。ヒット曲を歌い、笑顔でダンスを披露した直後、氷のような批判を浴びせられ、蒼ざめて言葉を失う彼女たちを、カメラはジッと追い続けます──どこまでも冷静に。

 日韓同時放映の連続リアリティ番組『PRODUCE48』第一回は、斯くも恐ろしいシーンをイントロに開幕したのでした。

■サバイバル番組、PRODUCEシリーズ

 K-POPアイドルの場合、デビューしたばかりの新人が、いきなり完璧に近い歌やダンスを披露するレベルの高さを誇っています。一方、日本のアイドルは”原石”の段階でデビューさせ、プロ活動の中で徐々に実力を上げていくケースが多いように思います。ファンがその成長を見守り、自分たちのフォローが形となっていく、一種の「育成ゲーム」的な関与を求めることが多いからでしょうか。

 ただ、韓国にも「未完成なアイドルの成長」を見守りたいという日本型のニーズはあり、あえてデビュー前の練習生を主人公に据えたTV番組が多く作られてきました。俗に「サバイバル番組」と呼ばれる、デビュー直前のプロ候補生選抜を追うリアリティ番組です。

 今や世界的人気を誇るBIGBANGや日本でもおなじみTWICE、次世代を担う男性グループWINNER、MONSTER Xなどが、こうしたサバイバル番組でデビューまでのプロセスを公開してきました。練習生の苦労や努力を刻んだ映像は、多くのファンの共感を生み、人気爆発の大きな起爆剤となります。デビューした段階でもう多くのファンが付いているわけですから、その効果は絶大。我も我もと各芸能事務所が揃ってこの手法に飛びついたため、一時期、同工異曲の番組があふれる結果となってしまいました。

 そこに新しい風を吹かせたのが、2016年、音楽専門ケーブル局Mnetで放映された『PRODUCE101』です。それまでは「一事務所の新人グループのデビュー」を描く番組ばかりでしたが、大小さまざまな芸能事務所から集めた練習生101人を選抜し、最終的に「究極のアイドルグループ」を結成するという大きな目標をゴールに据えたのです。第一シーズンからは女子グループ「I.O.I」が、そして第二シーズンは男子グループ「Wanna One」がそれぞれデビューし、ヒットチャートを大いに賑わせました。

 さて、そのPRODUCEシリーズ第三弾として登場したのが、今年6月から放送されている『PRODUCE48』です。

 今回の新基軸は、日本のAKB48グループから約半数の候補者39名を受け入れるというもの。韓国側は従来どおり各事務所から選抜された練習生57名、総計96名がデビューメンバー12名を目指して「国際的アイドルグループ結成」を目的にバトルを繰り広げることになったのです。

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