◆長野、福井、沖縄、青森の場合

 女性1位、男性2位だった長野県はどうか。海なし県であるがゆえ、かつては野沢菜に代表される塩辛い食事による脳卒中などの動脈硬化に倒れる人も多かった。だが、県を挙げての減塩運動が実った。

 とくに、2010年の国勢調査・市町村別長寿日本一(男性)に輝いた同県松川村は、健康に注力。栄養士と保健師が食事・運動指導を行うなどの健康増進運動を行った結果としての日本一に、全国の自治体からの視察がひきもきらない。

 もともと野菜を多く口にする県だけに、がんの発生率も最低レベルだ。そのためか、高齢者でも就業している人の率が高い。平均寿命よりも長生きをしている9割の人が園芸やカラオケなどの趣味を持ち、「幸福だ」と感じる人の割合が高いという。

 男性6位、女性5位にランクインしている福井県は豆食で勝ち得た長寿だとされる。 

 昔から田んぼの畔で大豆を栽培する伝統があり、大豆料理がよく作られている。料理に使うだけでなく、煎茶に煎った大豆を加えて飲むこともあるほど。また、ふやかした大豆を金づちで潰し、乾燥させて作る「打ち豆」は煮物などに欠かせない食材。

 顕著なのは、かつて長寿で知られた沖縄だ。米国統治を経て欧米の食文化が入り、ハンバーガーやスパムミートなどの加工肉を多くとるものに変遷。女性こそ長寿7位に食い込んでいるが、男性は短命といっていい36位だ。

 そして、最も短命なのは男女とも青森県。2000年以降ワースト1位を独走している。その理由として浮かび上がってくるのは塩。総務省家計調査では青森市のカップラーメン、塩干魚介の購入金額が全国1位となっている。

 これらの結果はまさに近藤博士の発見した知見と一致している。

※女性セブン2018年8月23・30日号

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン