ライフ

韓国グルメ復権の立役者・チーズタッカルビのブーム分析

チーズと唐辛子は極めて相性がよい

 食のブームも紐解いてみれば様々な伏線に導かれていることが少なくない。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が分析する。

 * * *
 チーズタッカルビの勢いが止まらない。2016年に新大久保の韓国料理店で売り出された後、写真映えする赤色×溶けたチーズのテクスチャーがインスタグラムで人気に火がついた。

 2017年にはクックパッドの「食のトレンド大賞」にも選ばれ、今年も牛丼チェーンの松屋が1月に「チーズタッカルビ定食」を発売。5月には日本ハムがパッケージ化された「チーズタッカルビ」を、山芳製菓が『ポテトチップス チーズタッカルビ味』を発売するなどいまだその勢いはとどまるところを知らない。

 一般的な「タッカルビ」は韓国の唐辛子みそ「コチュジャン」を味つけのベースに、鶏のもも肉に野菜などを加えて炒めた料理。それ自体、独特の甘辛さが後を引くが、そこにとろけるチーズを加えたことで、味にも見た目にもパンチが加わった。

 実は近年、韓国本国でもチーズをかける料理は人気を博していた。例えば下味をつけた豚肉のスペアリブに唐辛子のピクルスなどが入ったチーズを溶かして絡める「チーズカルビ」や、餅を甘辛く煮込んだ「トッポギ」でもチーズトッピングは一般的になってきていたという。

 唐辛子を日常的に使う韓国料理にとって、味をマイルドにしてくれるチーズは「出会いのもの」とも言えるほど相性がいい素材。そして実は逆も真なりで、チーズにとっても唐辛子、とりわけ韓国料理は「都合のいい」相手だった。

 もともと韓国料理には、しっかりと塩味がついているし、一定の甘味が加わった料理も多い。チーズを合わせるとより味は濃くなる。それはうまさにもつながるが、翻ってみれば「こってり」「くどい」味わいにもなりやすい。そこで韓国料理特有の「辛味」がバランサー役を果たすのだ。

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン