だが、上陸から4年。日本ではライバル店との顧客争奪戦が激しさを増している。外国人も多い六本木では、いまや「ベンジャミン ステーキハウス」や「エンパイア ステーキハウス」など、ウルフギャングの成功を見て海外からやってくるステーキ店がひしめく激戦区となっている。
じつは、ベンジャミンもエンパイアも創業者がズウィナー氏と同じピータールーガーで修行した経験を持つという。そして、ついに“元祖”ともいうべきピータールーガーも日本進出を決め、2020年までに東京都心部での開業を予定しているとの情報がある。
「自分たちが一番という思いでやっているので、日本の店も含めて他のステーキハウスがどこに出店しようと関係ない」
と話すウルフギャング・ズウィナー氏だが、日本での展開を担うウルフギャング・ステキハウス ジャパンのセールス&マーケティング担当者によれば、東京都内でのさらなる出店や、アップグレードしたウルフギャングの店舗展開も検討中とのこと。
「和牛でも霜降りから赤身肉への需要が増え、供給も増加しているので、アメリカ牛のさらなる需要増大を見込んでいる」(ウルフギャング・ステーキハウス ジャパン担当者)
日本人の舌をうならせる、塊肉の“熟成ステーキ戦争”はますます過熱しそうな勢いだ。
●撮影/渡辺利博