東京、福岡でフランス料理店『ラ・ ロシェル』を展開し、“フレンチの鉄人”“ムッシュ”としてお茶の間にもお馴染みの坂井宏行シェフ。厨房で腕をふるう傍ら国内外を飛び回り、76歳の現在も第一線で活躍する鉄人の元気を支えているのが、週1回以上通う『支那そばと上海家庭料理 大吉』の『支那そば』だ。海外出張から戻ると、必ず食べに行く“帰国メシ”でもある。
ラーメンはスープから味わうのが、坂井氏の流儀。運ばれてきた一杯にそっとレンゲを入れる。
「この支那そばはシンプルでさっぱりしていて、優しくて懐かしい味。疲れた時にすごく食べたくなります。最初にスープを飲むのは、自分の身体の具合をチェックするため。体調によって少しパンチが欲しいなと思ったら、卓上の辛子味噌を投入します。これを入れると、また味が引き締まるんですよ。僕、辛いのが好きなんです」(坂井氏)
「辛子味噌は自家製なんですよ」と話すのは、『大吉』を切り盛りする兪月娥さん(68)。約23年前に同店をオープンし、常連たちからは「ママ」と呼ばれて親しまれている。
「ママ、この味噌は何にでも合いますね」(坂井氏)
「中国の豆板醤、甜麺醤、日本の白味噌を混ぜただけです(笑い)」(兪さん)
「辛さだけでなく、白味噌が入っているから甘みもあるんだよね。支那そばに入れても、餃子や野菜炒めにつけても美味しいんですよ」(坂井氏)