今夏、記録的な猛暑、台風が列島を襲ったが、その影響をほとんど受けず、新国立競技場の建設は着々と進んでいる。2月に始まった屋根工事も順調で、徐々に屋根の全体像が見えてきた(9月12日撮影)。
フィールドでは、屋根のパーツとなるユニット鉄骨の組立作業を行なっている。組立後、クレーンで引き上げ取り付ける。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「屋根工事はそろそろ仕上げの段階に入ったといえるでしょう。屋根を覆う鉄骨の上に、断熱・吸音・防火等の性能を兼ね備えた『木毛セメント板』を張り、その上に仕上げとして白いステンレス板を張ります。
工事が最も進む右手(東側)の屋根を見ると、競技場外側から内側に向かって、白い板が張られている箇所が確認できますね。これが全体に広がり、最終的には真っ白な屋根になります。
ただし、手前(南側)の屋根の一部には、板の代わりに透明な強化ガラスを使用します。太陽光がフィールドに射し込むので、芝生への日照が確保されるでしょう」
◆撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年10月5日号