表では患者の平均年齢、5年生存率がともに表内の全病院の平均値を超えている医療施設に★印を付けた。死亡率が上がりやすい高齢患者が多いにもかかわらず、高い生存率を誇るのは、治療技術の高さを示していると考えられるからだ。
例えば胃がんで見ると、★印が付いた施設で生存率が89.3%と最も高いのは、富山県の市立砺波総合病院。同院は、放射線治療、CTスキャンともに最新設備を備えていることで知られている。低いところは60%台だから、20%以上の差がある。肺がんでも、生存率上位と下位の差は20%以上開いている。
「年齢や患者数など要因は様々ですが、生存率の差は、専門医の数や設備など、各病院の治療体制の手厚さに結びついている部分はあると思います」(同前)
また、胃がんの5年生存率の平均が81.6%なのに対し、肝がんは55.7%と部位によって大きな差があるが、これは部位ごとにがんの進行スピードや予後の安定度が違う上、早期発見のしやすさなど、治療方法の確立に開きがあるからだ。
データ公開によって医療の透明性が高まるなか、今後はそれを「読み解く力」がより重要になってくる。
◆表について/国立がん研究センターが調査した251施設のうち、データ未公表の施設を除く230施設における、がんのステージI「5年生存率」を掲載(患者数100人以上の施設を対象とした)。5年生存率、平均年齢ともに、対象施設の平均を上回っている施設に★印をつけた。Cはセンターの略。
※週刊ポスト2018年10月5日号