このままでは、完全に技工士不足となり、入れ歯は数年待ち、もしくは作りたくても作れないという状況は避けられない。
ヨロヨロと杖をついていた高齢者が、入れ歯をつけると背筋が伸びてスタスタと歩いた、というケースは珍しくない。認知症の人が、入れ歯で劇的に改善したこともある。
このように生活全般や、命さえも左右する「入れ歯」は、歯科技工士の存在が鍵を握っていることを、ぜひ知っていただきたい。
●取材・文/岩澤倫彦(ジャーナリスト・『やってはいけない歯科治療』著者)
※週刊ポスト2018年10月5日号