確かに、昨今のEVシフトは航続距離や充電箇所、充電時間の長さなど、ネックになる点もまだ多い。2030年頃を見据えても、世界の新車販売でEVはまだ約7%程度、一方でマイルドハイブリッド車は約30%まで伸びるという試算もあるようだ。
マツダは今回の技術説明会で、ロータリーエンジンを発電システムとして使用し、2020年にも市場投入予定とするEV戦略を発表したものの、自社のパワーユニット比率の将来予測では、2030年時点で、内燃機関+電動化技術で95%、バッテリーEV(ここにロータリーエンジンの発電システム利を利用したクルマも含まれる)はわずか5%と弾いている。
このように、内燃機関へのこだわりが国内メーカー随一のマツダ。同社の次世代技術導入のロードマップによると、まずこの11月下旬に開かれるロサンゼルスモーターショーで、次世代エンジンの「SKYACTIV-X」に新しい“魂動”デザインをまとったクルマ(巷間では「アクセラ」と言われている)がベールを脱ぎ、2019年3月までには日本でもお目見えする見込みだ。
さらに翌2020年、前述のマツダ独自のバッテリーEVに加えて、ディーゼル+マイルドハイブリッドのクルマ(SUVの「CX-5」と目されている)も登場してくる予定だ。
2020年は東京オリンピック・パラリンピックイヤーというだけでなく、マツダにとっても創業100周年の節目の年。特にディーゼルハイブリッドは、ドイツ勢の趨勢も含めて、マツダが逆風下のディーゼルでどこまで逆襲できるか、注目度が高い。いわば、「人の行く裏に道あり花の山」に賭けた勝負ともいえる。