結局、彼は1年で契約が切られることに。最後のミーティングで、報道部長は“卒業”という言葉を使って契約記者を送り出す。彼と同じ外部スタッフである前出のベテラン記者は、周囲の社員たちが契約記者に「これ持っていけよ」とお土産を渡している最中に、大きな声でこう吐き捨てた。
「“卒業”なんていうオブラートに包んだ言葉で、これ、くくれるんですかね」
その言葉を、周囲の誰も聞いている様子はなかった。
番組は、映像を編集しながら「デスク、編集長を悪者にして業界が抱える闇を彼らに被せようかなと」といい、冒頭のシーンを見て「最高のカットだよ」と笑う土方氏の横顔を映しながら幕を閉じる。
番組で描かれた問題は、同局以外の多くの報道メディアにも通底するだろう。
※週刊ポスト2018年11月2日号