2つの「免疫チェックポイント阻害薬」を完全比較

「現在では、さらに腎細胞がんや、リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫、口や鼻、咽頭部など頭から首近辺にかけてできる頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫の7つに適用範囲が拡大されました」

 一方のキイトルーダは、アメリカのカーター元大統領がメラノーマの治療に使用し大きな効果があったことでも知られる。

 日本では2016年にメラノーマで承認され、翌年に発売。直後に肺がんも適用範囲に追加された。現在はホジキンリンパ腫と尿路上皮がんの4種のがんへの使用が承認されている。

◆なぜ適用範囲に違いがあるのか?

 ただ、誰でもオプジーボやキイトルーダの投与を受けられるわけではない。

「免疫の薬なので自己免疫の疾患、例えば関節リウマチや甲状腺機能異常症にかかったことがあると、そもそも使えない」(同前)

 がんの状態と、治療の経過状況などにもよる。

「オプジーボは、もう手術ができない、あるいは再発してしまっていて抗がん剤も効果がないといった、他の治療法で手の施しようがない状態の患者さんにしか使えません。対してキイトルーダは、肺がんでは抗がん剤より前の投与も適用の範囲内となっています」(同前)

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