オプジーボとキイトルーダは、ともに点滴で投与される。一度の量は、オプジーボが240ミリグラムなのに対し、キイトルーダは体重1キログラムあたり2ミリグラムとなる。点滴の時間は30分から1時間程度だが、オプジーボが2週に1回投与するのに対し、キイトルーダは3週に1回と、投与の間隔が違う。前出の松井氏がいう。
「オプジーボの場合、1度目の点滴治療時に、1週間入院します。これは教育入院です。患者さんもオプジーボについて詳しく知ることが目的となります。体の状態を確認し、チェック項目がまとまった日記をつけることを勧められます。
がん免疫治療薬を用いた治療は診療科を超え、看護師、薬剤師を含めてチーム医療が行なわれます。そのなかでも、患者さんが自分で日記を書いて主治医に見せることが大事。それを見て主治医は副作用の有無などを判断します」
◆効果がある人は半分以下
がんの進行具合や、薬の効果の出方、副作用の状況によって治療期間は変わる。前出の里内氏によると、脳への転移もあった肺がん患者にキイトルーダを2年投与し、寛解(がん細胞が体から消えた状態)を維持しているケースもあるという。
がん免疫治療は、患者がもつ免疫の「手助け」をするイメージだ。