芸能

アンジャッシュ児嶋 役者として重宝がられる理由とは?

役者としても活躍するアンジャッシュ児嶋

 ある時は痴漢に疑われた一流企業のエリートサラリーマン。またある時は、何十匹ものアリを飼育し、全てのアリを識別できるアリオタクの研究者――。今期ドラマの児嶋一哉(アンジャッシュ・46才)の役どころである。いまだに人気が冷めやらない『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)など、芸人でありながら、児嶋は今年の連続ドラマにほぼ出ずっぱりで、映画にドラマにと引っ張りだこの状態だ。なぜ児嶋は俳優として求められるのか。お笑い評論家のラリー遠田さんが分析する。

 * * *
 芸人さんで俳優をする人は増えましたが、その中でも児嶋さんは役者向きだと思います。芸人がドラマや映画に呼ばれるとき、以前はドランクドラゴンの塚地(武雅)さんのように、俳優さんにはない、特徴のある容姿や芝居を求められていました。ところが、最近はそうした“アクセント”としての存在というより、俳優としての演技力を求められる傾向が強まっています。児嶋さんも、役者としてその演技力が認められるようになってきたということでしょう。

 年齢や見た目も、今のドラマ業界にちょうどいいです。若者のテレビ離れで、40代前後の視聴者をターゲットにするドラマが増えています。医者、弁護士、刑事を題材とする作品が多いなかで、大人の男性の役柄を違和感なく演じられる児嶋さんの需要は高いのです。俳優業の仕事が多い板尾創路さんのような路線ですよね。

 今期の連続ドラマでは、児嶋さんは『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)で冤罪に苦しむシリアスな役を、『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)で変わり者の研究者を演じています。正反対ともいえる役柄を、きっちりと演じていて、こちらが芸人だと意識することなく、自然に見ていられました。

■コンビの頭脳ではないからこそ、演技力が磨かれる。

 そもそもは相方の渡部建さんにMCなどのピンの仕事が多くなり、結果的に児嶋さんも一人の仕事が増えていったのだと思います。そこで本人の資質に合った、俳優業という道が広がっていったのでしょう。

 芸人の中でも役者に向いている人とそうでない人はいます。ネタを作っていない人の方が、役者として適性があるパターンが多いのです。ネタを書いている芸人さんは、自分が書いたネタをしゃべるので、人が書いたセリフは苦手だ、という人もいます。その相方は、演じることだけに集中できるので、演技力が磨かれていく。ダウンタウンも、ネタを作っている松本(人志)さんより、浜田(雅功)さんのほうがドラマ出演が多いですよね。アンジャッシュはお互いネタを作っているので、児嶋さんは相手の台本でコントを演じるなかで、演技力が鍛えられていったのでしょう。

 芸人の起用は、制作側にとって思惑もあります。役者並みの演技力があるからというだけで、芸人を起用しているわけではないと思います。芸人はドラマ以外の番組にも出演しているので、ドラマを見ていない人にドラマを見てもらうきっかけになるし、“あの芸人がドラマに出ていた”というだけで話題にもなります。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト