今年になり巨額の脱税が報じられ、9月には一時的に「失踪」すら報じられた中国の人気女優、ファン・ビンビンにも言及しておこう。1年前、私は宿敵の王岐山(現・国家副主席)とファンの愛人関係を暴露した。結果、彼女は米国内で私を提訴したことが報じられていたが、実際はその後に撤回されている。
当時、多くの人がこの件をありえないと考え、信じなかった。そもそも50~60代の王岐山では、性的にそうしたことは「無理」であると。しかし、これは事情を知らぬ者だから言えることだ。
最近10年間、中国の高官の間で最も流行し、高値で贈答の対象にもなっていたのは搖頭丸(MDMA、通称エクスタシー)などのドラッグだった。(乱倫が報じられた失脚高官の)周永康や薄熙来はもちろん、王岐山もこれを使っていた。党の高官たちは性的な面で極めて不健康であり、それは信仰無き共産党員のニヒリズムに裏打ちされている。彼らの強欲や専有欲が行き着く先は、スターたちとの「交際」である。
かつて、2002年に当時の人気女優の劉暁慶が脱税容疑で逮捕され、1年以上も投獄されてさまざまな虐待を受けた。この件は、中国の高官たちから芸能界への脅迫だった。「われわれと寝なければ同じ目に遭うぞ」というわけだ。ゆえにその後、高官たちは希望するいかなる女優とでも寝られるようになった。
ファンは非常に賢い女性であり、女優業のかたわら中国の富裕層とさまざまな金融機関との仲介者となって、プロジェクトを組んだりローンの口利きをおこなってきた。当時、王岐山は中国の副総理で金融を握り、巨額のローン契約に口出しできる立場にあった。ファンは王岐山とのつながりのなかで、ローン契約のコミッションを得る立場だった。