芸能

紫綬褒章受章の真田広之、取材現場で漂わせる「色気」

紫綬褒章を受章した真田広之

「“え、自分でいいんですか”というのが、まず最初で」と笑顔で語ったのは俳優の真田広之(58才)。このたび、秋の紫綬褒章を受章した。その真田の秘話について、コラムニストのペリー荻野さんが綴る。

 *  * *
 学術研究や芸術文化の分野で活躍した人に贈られる紫綬褒章に小説家の林真理子、将棋の羽生善治、劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)らとともに今年、俳優の真田広之が選ばれた。ヒゲがあろうが、眼鏡をかけていようが、ずっと「若手」のような印象を持っていたが、いまや真田は堂々のベテラン俳優なのだと改めて気づかされた思いである。

 1980年代には、映画『里見八犬伝』やドラマ『影の軍団』シリーズで山野を駆け抜け、木につるされ、水に飛び込むのも当たり前。平地にいたためしがないアクションスターとして活躍、1990年代には、NHK大河ドラマ『太平記』に足利尊氏役で主演、ドラマ『高校教師』では教え子との純愛に殉じて(?)話題となった。私も取材経験があるが、その第一印象は「めちゃくちゃ色気がある」俳優だった。色気といっても、自らアピールするとか語るわけではなく、そこはかとなく漂うもの。かつて『anan』の「好きな男」の第1位になったというのも納得である。

 しかも、私はその手の甲に小さな傷をいくつか見つけたのである。そのとき、真田は『新・半七捕物帳』というNHK時代劇に主演、十手をもって戦うシーンを撮影していたのだった。短い十手で、長い刀を持つ侍と戦ったりするのは、とても不利だし、難しい。もちろん、長年のキャリアがある真田は、ある程度距離を置き、刀を避けてリアルに戦っているように見せる技術はあるのだが、あえてそれをせず、自分の手にあたるくらい近づいて戦ったのだ。

 ちなみにこのドラマの主題歌は奥田民生。現代の東京に「半七」姿の真田が立つモノクロの写真が連続するタイトルはとてもカッコいい。紫綬褒章記念にぜひ、再放送してもらいたいものである。

 そんな中、やっぱり真田の受賞を一番喜んでいるのは、京都の時代劇関係者だろう。ご本人も受賞の言葉の中で自分のキャリアを「子役時代から」と語っていたが、真田は子役であった。時代劇にも縁が深く、かの『水戸黄門』にも出演している。そのときの共演者は渡哲也だった。それから50年近くたった今でも京都の撮影所には真田が「ひろくん」と呼ばれていた頃を知るスタッフがいて、その活躍を心から応援している。多くの子役で出入りする現場でも「ひろくん」は、当時から人気者だったのである。
 
 会見の中では、日本のよさを伝える作品のプロデューサーとしての仕事をしたいと語っていた。後輩たちが世界的に活躍できるよう力にもなりたいという。英語圏の仕事に飛び込み、キャリアを積んだ「国際派俳優」らしい言葉だ。しかし、それではますます日本での俳優業が遠のくのではないかと心配もしたくなる。

 受賞も素晴らしいし、プロデュースも期待したいが、日本各地の採石場のような荒野を元気よく馬で駆け回ったり、落ち葉の中から突然姿を現す忍者と格闘する真田もまた見たい。もう一度、愛に殉じてくれてもいい。たまには「国内派俳優」にも戻ってほしいものだ。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン