「現行のルールは、パ・リーグ発のものばかりです。1975年には指名打者制度を導入し、1980年代に入ると開幕戦で予告先発をするなどのアイディアも飛び出した。2004年に現在のクライマックスシリーズにつながるプレーオフ制度も導入したし、2005年から始まった交流戦も何年も前から開始を訴えていた。行動力のあるパ・リーグと腰の重いセ・リーグの体質が、この10年の成績として顕在化したとも言えます」
2005年に始まった交流戦でも、14年間でパ・リーグが13回勝ち越し。セ・リーグの勝ち越しは2009年だけで、日本シリーズと同じく2010年代以降、パ・リーグが圧倒している。それにもかかわらず、観客動員数は今年もセ・リーグのほうが上だった。
「セ・リーグは人気に胡座をかいていると思われても仕方ありません。これだけ負けているにもかかわらず、何の手も打たないと、ますますパ・リーグとの差は広がっていく。新しいアイディアを打ち出したり、まずはパの真似と言われても構わないから、指名打者制を導入するのもありでしょう。パの導入時には批判的で“9人野球”にこだわっていたセですが、とにかく、危機感を持たないとパ・リーグとの差は拡がるばかりです」
打倒パ・リーグへ向けて、セ・リーグが重い腰を上げることはできるか。