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世の中は「簡単なこと」ができない人たちで溢れている

中川:数えるだけなのにですか?

橘:はい。レベル2だと、「HPを見て、運営者に問い合わせるにはどうしたらよいですか?」といった質問です。そして、問い合わせ先を見つけられない人が日本で約3割、OECDの平均だと4割を超えています。レベル3になると6割の人が答えられない。レベル3の問題は、たとえばHP上に本のリストがあって、その中からある特定の本の著者を探すというものです。

中川:それって知識を問うクイズみたいなものではなく、書籍の名前なり概略は明示されているんですよね?

橘:もちろんです。このレベルの質問の難易度は289点で、日本人の平均点が296点だから、半分の人しか答えられないんです。だけどそれで日本が1位なんですね。レベル4だと難易度348点で、日本人だと2割が正答し、OECD平均だと1割しかいない。レベル4は、本のリストの中から、ある特定の主張に対して、「賛成でも反対でもなくいずれも信頼できないというスタンスのものを選べ」という問題です。これは、そこに書いてある解説を読めれば答えられるじゃないですか。でもそれができる人って、日本人で2割、世界で1割しかいないんです。

 これは衝撃的な結果です。数的思考力の場合、レベル1は、「この加工食品の中で、最初に加工されたものは何ですか?」という質問で、レベル2は単純な計算問題です。レベル3は知能テストによく出てくる組み立ての問題で、レベル4になるとあるグラフを提示され、「この中から1970年に6年を超える学校教育を受けたメキシコ人の男性は何パーセントか?」という問いに答えるもの。グラフの中から、「男性」「1970年」「6年を超える学校教育を受けた」を見つけ、左側の目盛りを見れば答えはすぐわかります。グラフの基本がわかるのが習熟度レベル4で、そういう人が日本で17%、OECD全体で10%。つまり9割の人はこれが分かりません。

 ITを活用した問題解決能力の調査では、単純なメールの振り分けをします。レベル3は会議室の予約システムを使って予約の処理をするというものです。午前、午後、午前と午後にわたるものがあって、午前1件、午後1件入れて、その後申し込んできた予約を断れば良い。これは事務作業の最低限だと思うんですが、これができる人って世界に1割しかいません。

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