そう考えると、ネット上での議論がかみ合わない理由もよく理解できます。相手の意見を“読まない”のではなく、“読めない”のに批判しているわけですから。私たちが目にしているのは、ネットの大衆化によってこうした人たちが表に出てきたという現実ではないでしょうか。(続く)
◆橘玲(たちばな・あきら):作家。1959年生まれ。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『言ってはいけない 残酷すぎる真実』『(日本人)』『80’s』など著書多数。
◆中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):ネットニュース編集者。1973年生まれ。『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』『縁の切り方 絆と孤独を考える』など著書多数。