明るさや素直さといった「持ち味」にいい形でスポットライトが当たり、まさしく女優として旬を迎え伸び盛りに。「みねこ人気」は衰えず、『ひよっこ』の続編が来年3月に放送されることも決まったばかりだとか。
その有村さんが、今まさに主役を演じているのが『中学聖日記』。キャッチコピーは「教師としてあるまじき、純愛」。物語はたしかに「あるまじき」のオンパレードです。教師と生徒の禁断の愛だけでなく、叱責に辞職、三角関係に不倫、虐待ととにかく暗くて苦しい出来事が次々に出てくる。物語の筋を「負の出来事」によって展開していく、いわば「ドロドロ系の作品」と言えるでしょう。
もしもこれが「昼メロ」「深夜帯」ならば確信犯的であり、役者の方も敢えて汚れ役にチャレンジし脱皮を目指す、ということもありうる。例えば放映中のドラマでいえば『あなたには渡さない』(テレビ朝日系土曜午後11時15分)で男を取り合う木村佳乃vs水野美紀などが該当しそうです。
しかし『中学聖日記』で今主役を張っているのは「国民的清純派女優」と呼ばれている人。よけいに視聴者の目は厳しい。主役の聖について「あざとい」「あまりに浅はか」「可愛くない」「煮え切らない態度にイライラ」「嫌い」と、有村さんのイメージと重なりながら評価は急転換しつつあります。
一人の女優の評判をガラリ変えてしまう、キャスティングの怖さを思い知りました。
果たして今回のドラマ、的確なキャスティングと言えるのか。そこに無理はなかったのか。女優としての伸び盛りの時期に、この選択はどうなのか。有村さんがやるべき仕事とは……とさまざまに考えさせられる意味でも、このドラマは波紋を生む「問題作」と言えるのではないでしょうか。