告別式には多くの人が参列した
秀樹さんの食習慣にも、危険因子が潜んでいた。
〈後でわかったのですが、外で天ぷらやお寿司を食べてきた日も、「ママに悪いから」とマネジャーに口止めし、家でもごはんを食べていたのです〉(同書より)
動脈硬化を引き起こす原因となる「高血圧」「高脂血症(脂質異常症)」にも注意が必要だ。
「動脈硬化が進行するほど血管は詰まりやすくなります。高血圧が続くと、血管が常に張り詰めた状態になるため、高血圧の人は正常血圧よりも約3倍、隠れ脳梗塞のリスクを高めるといわれています。また、高脂血症の場合、血液中に余分な脂が溜まりやすく、ドロドロの粥状に血管壁を厚くしてしまう。その他にも、『喫煙』や『アルコール』も、動脈硬化のリスクを高めます」(工藤医師)
加えて、隠れた危険因子となるのが「脱水症状」だ。秋から冬も「サウナ」による脱水に要注意だという。都内在住の60代男性の話。
「週末にサウナに行くのが趣味だったんですが、たくさん汗をかこうとして水分をとらずに30分以上こもっていました。サウナを出てから体がだるくて、徐々に舌がもつれていった。周りの人に促されて病院で検査を受けたところ、ラクナ梗塞と診断されました」
工藤医師が解説する。
「体内の水分が不足することで血流が悪くなり、血管が狭くなった場所で詰まるリスクがあります」
秀樹さんには糖尿病、喫煙、サウナ好きが該当したという。あてはまる要素が多い人ほどリスクは高い。
※週刊ポスト2018年11月30日号