ネットの中国人不法就労者コミュニティにはさまざまな求人がある
私が中国人の知人に黒工のフリをさせて連絡してみたところ、建物の解体や内装工事を日給1万円で斡旋するブローカーと接触することができた。以下に彼とのやりとりを紹介しよう。
──在留カードを持っていないが働けるか?
「不法就労は問題ないが、偽造の在留カードは必要だ。これがなければ日本人の経営者に雇ってもらえない」
──なぜ偽造カードがあれば雇ってもらえるのか?
「在留カードのない外国人の就業が(入管や労基署に)発覚すると、経営者の雇用責任が問われる。だが、在留カードがあれば、経営者側は『偽造とは知らなかった』と主張して責任を負わずに済む。だから安心して雇えるんだ」
──偽造在留カードはどうやって入手するのか?
「私たちが1枚1万円で売ってやる。3日ほどで準備できる。2枚目以上を買うなら割引するし、他の証明書の偽造も可能だ」
元技能実習生の黒工・張に確認したところ、偽造の在留カードはやはり1枚1万~2万円が相場らしい。それだけ需要が多いようだ。
近年、日本では少子高齢化によって、中小企業を中心に人手不足に苦しむ声が上がる。特にコンビニや飲食店、農家や工場の人手不足は深刻で、それを埋める外国人労働者は、すでに日本の単純労働の現場に不可欠な存在となっている。