「大腸内視鏡検査と聞くと、痛くて苦しいんだろうな、というイメージを持つ人が多い。でも、今は変わりました。オリンパスの『290シリーズ』という新しい検査機器が普及し、苦痛が減り、検査時間も短くなりました。この機器は腸内のカーブに対応して受動的にカメラが曲がる機能や、手元の力を先端に伝えやすくする機能なども加わり、腸管のカーブを比較的容易にクリアできるのがポイントです」
女性では乳がん、大腸がんに続いて患者数の多い胃がん。その検診も大きく変わった。 大量のバリウムをのまなければならないうえ、検査後の排便が困難になるバリウム検査は敬遠されがちだった。今ではそれも減り、胃カメラが主流になっている。
「胃カメラも吐き気がするなど苦しくて大変だという声が多く、苦手意識を持っているかたが非常に多い。ところが、現在の検査では鼻から通す『経鼻カメラ』を使うことがほとんどで、かなり楽になりました」(八上先生)
口から胃カメラを入れる苦しさに懲りて10年間検査を受けていなかった女性が「鼻からなら毎年でも受けられるわ」と言ったというエピソードもあるという。
また、50代以上で感染率が高く、胃がんの原因とされるピロリ菌。この菌があるかどうかは便検査や血液検査でも調べられるのだが、八上先生はあえて胃カメラで調べることを勧める。
「現状、健康保険でピロリ菌を除菌するためには胃カメラ検査が必須。また、菌によっては薬剤抵抗性があります。胃カメラなら検査と同時に患部の組織を採り、培養することで、最初から適切な除菌薬を選ぶことができるのです」
※女性セブン2018年12月13日号