買うときは一呼吸おいてから
「購入したルームランナーを使用したところ、ついていけずに後ろに飛ばされてしまったという50代男性のケースもありました」(国民生活センター担当者)
テレビショッピングなどを通じて販売を行なっている大手ルームランナーメーカーの担当者はこう話す。
「スタートの仕方から(安全装置の)クリップのつけ方まで、安全にお使いいただくための方法は説明書に記載していますし、使い方のステッカーも製品に貼ってあります。それらに従って正しく使っていただければ危険はないはず。通販番組の放送時間の枠のなかですべてのリスクを説明できないから、使用前にきちんと目を通すようにしてほしいのですが、そうではない方も多いようで……」
◆「誰でも簡単」本当に?
「通販で購入した健康関連商品が原因で怪我をしたという中高年の患者さんが来院する例は、少なくない」
そう話す秋津医院院長の秋津壽男医師もやはり、「ネットよりもテレビで見て買ったという方が多い印象」とした上で、こう分析する。
「テレビの通販番組では、高齢の視聴者が多いことを見込んで、盛んに『誰でも簡単にできる』ことが強調される。そうすると体力が落ちている人も注文したくなります。しかも、『買った以上は使わないともったいない』という気持ちが出る。実際に手元に届いた商品を使ってみてすぐに、“ちょっとキツイな”と感じても、無理して頑張ろうとしてしまい、それが怪我や事故につながっている傾向がみられます」