国際情報

中国ブラック料理店 バイト女性に給料払わず罰金請求の手口

実質タダ働きを強いる店も存在(アフロ)

 労働者の立場で考えれば、ブラック企業は厳しく取り締まりされていくべきだ。中国ではいまだに信じられないような事例もある。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 世にも不思議な話である。アルバイトをした女性が、20日間働いたにもかかわらず、賃金が支払われなかったどころか、かえってお金を要求されたという。そんな超絶ブラックレストランを告発したのは、10月23日付『華商報』である。

 驚くべき事件が起きた舞台は中国の古都・西安市だ。被害に遭ったのは、貧しい家庭に生まれたために学業を断念し、今秋から咸陽市から西安に一人で出稼ぎに来ていた16歳の小雪である。彼女が見つけたのは家庭料理を看板に掲げる「太っちょ張のプライベート・キッチン」のウエイトレスの仕事だった。

 最初に店から告げられた月給は2100元(約3万4200円)だったが、働き出して間もなく「新人は1700元(約2万7700円)だ」と店主の娘から告げられた。このとき、トイレの時間が10分を超えた場合には罰金として給金から差し引かれるといわれた。

 この時点で十分に怪しいブラックな臭いがプンプンとしてくるのだが、この店が本領を発揮するのは小雪が辞めてからである。

 9月いっぱい働き、1か月分の給金を受け取ろうとしたとき、逆に「195元支払え(約3180円)」といわれてしまうのだ。

 『華商報』の記者が取材で入手したその内訳によれば、無断欠勤は1日500元(約8150円)。これが小雪の場合2日間あり、計1000元(約1万6300円)。さらに制服やエプロンの代金、鍵の代金などが差し引かれていたという。

 いずれにしてもでたらめな話だ。当然のこと、労働観察大隊の査察の対象となり、小雪は無事に給金1500元(約2万4450円)を受け取ったというが、レストランには詳細な調査が入ることとなった。

関連キーワード

トピックス

驚異の粘り腰を見せている石破茂・首相(時事通信フォト)
石破茂・首相、支持率回復を奇貨に土壇場で驚異の粘り腰 「森山裕幹事長を代理に降格、後任に小泉進次郎氏抜擢」の秘策で反石破派を押さえ込みに
週刊ポスト
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
2020年、阪神の新人入団発表会
阪神の快進撃支える「2020年の神ドラフト」のメンバーたち コロナ禍で情報が少ないなかでの指名戦略が奏功 矢野燿大監督のもとで獲得した選手が主力に固まる
NEWSポストセブン
ブログ上の内容がたびたび炎上する黒沢が真意を語った
「月に50万円は簡単」発言で大炎上の黒沢年雄(81)、批判意見に大反論「時代のせいにしてる人は、何をやってもダメ!」「若いうちはパワーがあるんだから」当時の「ヤバすぎる働き方」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
“トリプルボギー不倫”が報じられた栗永遼キャディーの妻・浅井咲希(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》女子プロ2人が被害妻から“敵前逃亡”、唯一出場した川崎春花が「逃げられなかったワケ」
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“1000人以上の男性と寝た”金髪美女インフルエンサー(26)が若い女性たちの憧れの的に…「私も同じことがしたい」チャレンジ企画の模倣に女性起業家が警鐘
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン