国内

「勉強ができる母×息子」が最強の組み合わせ?その理由は

子供の学力と親の学歴との関係

〈父親よりも母親の遺伝子が子供の学力に影響する〉。そんな新説が今、世の中のお母さんたちをザワつかせている。

「この先、『なんでできないの!』という叱り方は、天に唾する行為ってことですよね」(44才主婦)
「いくら子供のテストの点が悪くても『パパの子だからしょうがない』とは口が裂けても言えないってことなの?」(32才事務員)
「わが子の将来、終わったかも…」(39才会社員)

 あまりにショッキングな言説が世に出回るきっかけとなったのは、2018年3月に文科省が公表した報告書だ。

 この報告書は、全国の小学6年生、中学3年生延べ200万人に実施した「全国学力・学習状況調査」(通称・全国学力テスト、2017年度)と、「両親の学歴」「所得」「就業時間」などを尋ねた保護者12万人へのアンケートをもとに、家庭内のどの要因が子供の学力に影響するかを分析したもの。

 分析の結果、「父親の学歴」よりも「母親の学歴」の方が、子供の学力に影響することがわかった。

 これを受けて『週刊現代』(11月24日号)は、《わが子が勉強できないのは母親のせい、父親は関係ない》という記事で、母親の学歴どころか、「母から受け継いだ遺伝子が子供の学力を左右する」と主張した。

 にわかに湧き上がる「子供の学力は母親が決める説」は、果たして本当か──。

◆「勉強のできる母×息子」が最強の組み合わせ

 渦中の文科省の報告書で大きな注目を集めたのは、小6、中3ともに、それぞれが受験した4科目すべてにおいて、母親の学歴の高低にともなう正答率の差が、父親のそれより大きかったことだ。

 たとえば中3の数学Bでは、父親の最終学歴が「高等学校・高等専修学校」の子供の平均正答率は44.1%で、「大学」は56.5%。その差は12.4ポイントだった。

 だが母親が「高等学校・高等専修学校」卒だと正答率は43.3%。「大学」卒になると60.0%で。その差は16.7ポイントに拡大する。これらの結果から、母親の学歴が子供の学力に大きく影響するとの説が生まれた。

 そもそも、子供の学力は遺伝が大きく影響する。教育心理学者のアーサー・ジェンセン氏は1969年に「知能の7割は遺伝によって決まる」という内容の論文を発表している。

 また、最新の研究から、『日本人の9割が知らない遺伝の真実』(SB新書)の著者で、慶應義塾大学教授(行動遺伝学)の安藤寿康さんがこんな指摘をする。

「学力と遺伝の関係は昔から世界中で研究されており、信頼できるデータが得られています。それによると、知的な能力を示すIQ(知能指数)は、およそ50%が遺伝の影響を受けるとされます。残りの30%が家庭環境、20%が学校や友人など一人ひとりが有する独自の環境の影響を受けると考えられています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン