冒頭で紹介した川口さんのケースがこれだ。「葬儀一式」と言われて、それ以上はお金がかからないと思い込んだ。しかも、「すべてお任せします」と言って任せっきりにしていた。
「口が裂けても『お任せ』と言ってはいけません。あれこれと理由を付けてオプションを追加され、値段が跳ね上がってしまいます。
また、そうした悪徳業者を見分けるには、契約する際、『見積書をください』と伝えるのが有効です。見積書を出し渋ったり、提出しても『葬儀一式』の金額だけで、中に何が含まれているかを明記しない業者は怪しいと思いましょう」(島田さん)
取材すると、格安の葬儀社を選んだばかりに、本来は2人来るはずの葬儀社の担当者が1人しか来ず、棺を運べなくなったケースも。担当者は高齢の女性の喪主に、「こんなに安い葬儀なんだから、人を増やせるわけがないだろう。近所から誰か人を呼んでこい」と逆ギレする始末。仕方なく近所の人に頼み込み、棺を運んでもらったという。
いくら安くても、滞りなく葬儀を遂行できるだけの人員を確保・提供するのは葬儀社として当たり前だと思うが、葬儀社も格安・簡略化の流れの中で競争が激化し、生き残るため、あの手この手で必死なのだ。
※女性セブン2019年1月1日号