国内

東日本大震災はまだ終わっていない、2019年に「続き」の恐れ

東日本大震災では津波で船が住宅地に流された(時事通信フォト)

 平成は多くの災害に見舞われた。1991年の雲仙普賢岳噴火、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2014年の御嶽山噴火、2016年の熊本地震。2018年は北海道胆振東部地震があり、「今年の漢字」に「災」が選ばれている。

 御代がわりで祝賀ムードにわく2019年も、巨大地震の危険がすぐそこに迫っていることを忘れてはならない。

「2011年の東日本大震災はまだ終わっていません。2019年のうちに“続き”が起こる可能性が大いにあるのです」

 そう警鐘を鳴らすのは、立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学さんだ。東日本大震災は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む部分で発生した「プレート型地震」だ。その境界線は北海道沖から千葉県沖までつながっている。

「2011年に動いたのは宮城から福島沖にかけての部分だけでした。境界線のまだ動いていない場所で地震が起こる可能性があります。北は北海道、青森、岩手、南は茨城や千葉の辺りです。現にその兆候として、北海道では昨年9月に最大震度7を記録した胆振東部地震が起きました。茨城や千葉でも毎月のようにマグニチュード(M)4くらいの地震が頻発しています。しかし、これくらいの地震規模ではガス抜きにはならず、“動き残り”が本格的に動いたらM8以上になることが想定されます」(高橋教授)

 さらに、東日本大震災の発生源に近い場所で、再び同規模の大地震が発生する危険もあるという。プレート型地震の後に発生する「アウターライズ地震」と呼ばれるものだ。

「アウターライズ地震は、東日本大震災でプレート間の摩擦が減り、太平洋プレートの先端が北米プレートの下に沈み込む速度が速くなりすぎて、太平洋プレートが割れてしまうことが原因です。インドネシアでは2004年にスマトラ地震(M9.1)が起こり、その8年後の2012年にアウターライズ地震(M8.6)が発生しました。2019年は震災からちょうど8年。いつアウターライズ地震が起こってもおかしくない」(高橋教授)

 さらに、政府が30年以内に70~80%の確率で起こると予想している南海トラフ地震の危険もすぐそこに迫っている。地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀さんが語る。

「南海トラフ地震は西南日本がのっかっているユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込むことで発生しますが、過去の記録では西日本で内陸直下型地震が続いた後に起こるケースが多い。近年、西日本で直下型地震が続いているので、近づいていることは間違いありません」

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン