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2020年教育大改革、2019年センター試験に予想される余波

教育分野は激動の1年になるか

 2020年の教育大改革を前に、教育分野は激動の一年が予想される。2020年度から「プログラミング教育」が小学校から必修化、「英語」も小学5、6年生の必修科目となる。

 大学受験も大きく変わる。約30年続いたセンター試験は本年度で終了。2020年度(実施は2021年1月)からは「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)が導入され、今までの傾向とまったく異なるといわれている。

 1月19日から始まる今年のセンター試験は大幅な変更はなさそうだが、多少の余波を受けそうだ。

「内容は大きく変わらないでしょう。ただ、問題が難しくなる可能性が考えられます。というのも、センター試験は平均点が6割になるように作られていますが、2021年からの『共通テスト』は平均点が約5割に設定され、難しくなることが決まっているからです。新テストからいきなり難しくするのはどうかということで、残り2回のセンター試験でも、平均点を5割に近づけることが考えられます」(学校情報に詳しい『大学通信』の安田賢治さん)

 大学入試に先んじて変革の時を迎えるのは、中学や高校の入試だ。今の高校1年生からは「共通テスト」を受けることになるので、それに備えての前準備が始まるのだ。

「すでに中学、高校受験の入試は変わりつつあります。中学受験の科目に英語を取り入れる学校が増えつつあり、内容も、英語でスピーチさせるなど多様です。高校入試の英語も、単語や文法を問うだけでなく、英文を読んでその感想を英語で書かせるなど複雑になっている学校が増えました」(中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員の辻義夫さん)

 昨年の中学受験ではすでに“開成ショック”といわれる変革が起きた。中学受験最難関校の開成中学の国語のテストに “お弁当の売り上げグラフを読み取り、2人のビジネスマンのどちらを評価しうるか”など、暗記では太刀打ちできない、思考力、問題解決力を問う問題が出題され、受験生やその親だけでなく、教育業界全体に衝撃を与えた。算数、国語といった科目の枠組みを取り払った受験科目も増えている。

 そうした大学入試の「2021年ショック」に備え、受験傾向にも顕著な変化が見られるようになった。

「どんな内容になるかが見えない新試験制度への不安から、わが子を大学併設校に入れようというトレンドが生まれています。具体的にはGMARCHと呼ばれる学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政それぞれの大学の附属校の人気が高まっているのです。この傾向は最近さらに強まっているようです」(辻さん)

 いつどのタイミングで受験させるのか、英語やプログラミングをどう学ばせるのか――子供を持つ親はつねにアンテナを高く張っておかなければならないようだ。

※女性セブン2019年1月17・24日号

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