「モリ・カケ問題」や「外国人人材法案」をタテに、衆参両院の憲法審査会に応じてこなかった立憲民主党や国民民主党など、野党の無責任さは言わずもがなです。立憲民主党の枝野幸男代表は民主党時代、憲法改正すべしという論文を『文藝春秋』に掲載しました。ならば正々堂々と憲法改正論議に応じるべきで、「安倍政権には憲法改正させない」というのは、まさに政局レベルでしか物事を見ていない証拠です。氏には政治家としての信念はどこに行ったのかと問いたいと思います。
国会議員のなかで本気なのは安倍首相を筆頭に少数の議員に限られるのではないか。肝心の自民党さえも、党全体の状況を見ると、その動きは消極的に見えます。
仮に野党の妨害で憲法審査会が動かなくても、実は発議は可能です。国会法68条の2は衆議院で100人以上、参議院で50人以上の賛成があれば改正案を上程できると定めています。改正案が国会に提出されれば、国会法102条の6によって、憲法審査会には審査を行う義務が生じます。
憲法改正を実現するために、国民の意思を問う機会を作ることこそが国会の責務であるはずです。それを怠っている国会議員は自らの責務を放棄しているに等しいと言わざるを得ません。
憲法改正には衆参両院で3分の2以上、さらに国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。与党が3分の2を大幅に上回っている衆議院はともかくとして、参議院では自民党が126、公明党が25、日本維新の会が11議席で合計しても162。ぎりぎり3分の2に達するという薄氷を踏むような状況です。