スポーツ

仲間の死を乗り越えセンバツ21世紀枠へ 熊本西の戦い

「21世紀枠に選ばれるか、選ばれないかは分かりません。しかし、出場することを前提に準備しています。そうじゃないと、とても間に合いませんから。この1月の時期に、全国に約4000校に野球部がある中で、甲子園の話が生徒とできるチームというのは少ない。うちも初めての経験ですし、熊本県の21世紀枠推薦校が、九州の推薦校になった前例もないんです。全国の強豪とどれだけ戦えるのかという不安はあるし、責任の重さもある」

 もし出場が決まったら、戦いたい学校はあるか。

「特にありません。反対に、みんな、うちと当たりたいんじゃないですか(笑)。実力は32番目のチームだと思いますので。九州大会まで出場し、1回戦を勝ったという自信は選手も持っていると思うんですが、率いる私としては……」

 主将兼エースで、中軸を打つ霜上幸太郎を中心とした守りの野球で、昨秋は快進撃を続けた。チームの特徴は「チームワークの良さ」と横手監督は言う。

 部員数は44人(女子マネジャー5人含む)。いや、亡くなった篠田君を含めた45人で、聖地を目指す。

■取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

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