ビジネス

JTが発売の新・加熱式たばこ 力の入れ方は「半端ない」

高温加熱の「プルーム・テック・エス」(右)と「プルーム・テック・プラス」

「屋内原則禁煙」を柱に、受動喫煙対策が強化されようとしている今、愛煙家はますます肩身の狭い思いを強いられそうだが、そんな中、たばこメーカーの動きが慌ただしくなってきた。紙巻きたばこの代替品ともいえる煙や臭いの少ない“加熱式たばこ”のラインアップとスペック拡充に注力しているのだ。

〈加熱式たばこは温度で選ぶ時代へ〉──JT(日本たばこ産業)がこんなキャッチフレーズで1月29日から販売するのが、2016年のテスト販売以降、徐々に販売規模を拡大してきた加熱式たばこ「Ploom TECH(プルーム・テック=PT)」の新製品だ。

 JTが「温度」をキーワードに掲げたのには理由がある。

 これまでPTは加熱式市場をリードする「IQOS(アイコス)」(米フィリップモリス・インターナショナル)や、「glo(グロー)」(英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)がたばこスティックを直接本体に差し込んで使用する“高温加熱式”なのに対し、カートリッジ内にあるリキッドを熱し、そこで出た蒸気をたばこ葉の詰まったカプセルを通して吸う“低温加熱式”を最大の売りにしていた。

 この低温加熱型にすることで、独特な「加熱臭」に一部で不快との声も出ていたアイコスやグローと違い、においを大幅に抑えることができたのだ。JTのPT使用者調査でも〈においが少ない/85%〉〈髪や服ににおいがつきにくい/84%〉と概ね満足度は高かった。

 ところが、その一方で低温加熱のため、“吸いごたえ”に物足りなさが残る点を指摘され続けてきた。JTの岩井睦雄副社長が、「これまで紙巻きたばこを吸っていた方は、加熱式にも同じ程度の吸いごたえを求めていた」と話す通り、44%のPTユーザーが吸いごたえに不満を持っているとの調査結果も出ていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン