4月30日に平成が終わり、5月1日から新しい元号となる…が、「元号」と「年号」の区別がついていない人も少なからずいるようだ。そこで、内閣府・大臣官房総務課の担当者に聞いてみた。
「『年号』も『元号』も、年数の上に任意の漢字をつけて表す称号という点では同じため、ほぼ同義語として扱われています。
日本は明治の改元から『一世一元』となっており、以来公称として『元号』が使われています。それまでは必ずしも元号と天皇の在位の期間は同一ではありませんでしたが、現在は一世一元となっているため、年号という言い方は、あまり一般的ではありません」(担当者)
また、国立民族学博物館名誉教授の中牧弘允さんは、その微妙な違いについてこう語る。
「明治天皇が即位し、改元が行われた時、天皇が明治と書かれたくじをお引きになり、『年号の字を聖択したまふ』と『明治天皇記』に記されています」(中牧さん・以下同)
最初の年号は大化の改新が起きた645年。孝徳天皇の即位元年につけられた「大化」が始まりとされている。
「その大化から平成まで、247の年号が存在します。日本は世界で唯一、長期的かつ持続的に年号を使う国なのです」
これに対し、元年の意味を持つ元号は天皇の即位から数えるものだ。
「現行の法律は元号法といい、明治22年の『皇室典範』でも、明治42年の『登極令』でも元号が使われているのです」
最後に、前出の担当者によると、元号になる条件とは「国民の理想としてふさわしいよい意味を持つ」「漢字2文字である」「書きやすい」「読みやすい」「これまでに元号として用いられたものではない」「俗用されているものではない」という6つの条件があるという。新たな元号がますます楽しみになってきた。
※女性セブン2019年2月7日号