さらに特筆すべきは、その後、原発災害については政府の報道コントロールによって、だれもが口に出しにくくなっているなか、その後も4年連続、「新年の感想(年頭所感)」で、はっきり指摘されていたことです。(その後、「高齢に伴う負担軽減のため」、2017年から「新年の感想(年頭所感)」はとりやめになりました)
これは「声なき人びとの苦しみに寄りそう」ことこそが天皇の責務であるという、強い信念にもとづいたものでしょう。
この原発災害の現状認識についての断固とした姿勢は、沖縄の問題への長く真摯な取り組みに並ぶ、明仁天皇のメッセージの白眉だと私は思います。
*矢部宏治著『天皇メッセージ』(『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』増補改訂版。http://sgkcamp2.tameshiyo.me/MESSAGEで全文無料公開中)より