以上のRoや集団免疫などの考え方は、感染症の数理モデルの最も基本的な部分とされている。実際には、この数理モデルを発展させて、

・感染しておらず免疫を持っていない人(今後、感染・発症する可能性がある人)
・すでに感染している人
・感染から回復して免疫を持っている人

 の3つのグループに集団を分けるなどして、それぞれのグループ間の人の推移を方程式で表示して、より複雑な分析につなげている。(こうした数理モデルの詳細については、専門書に譲ることとする)

 なお、感染症に関する数理モデルについては、いくつか限界があるとの指摘もある。たとえば、

・そもそも性別や年齢などの違いによって、感染の仕方が異なるはずだが、モデルはこれを無視している
・感染して発症した人は、医療施設に入院したり、自宅で療養したりするため、他の人との接触の機会が減るはずだが、そうした点をモデルは加味していない
・本来、感染経路によって感染確率は異なるはずだが、モデルは感染経路を1つに限定している

 こうした数理モデルの限界をよく認識した上で、感染症を分析し、理論的に、感染拡大に備える取り組みが、進められている。

 日本では、毎年、秋になると、インフルエンザの予防接種が勧奨される。また、定期的に、乳児・幼児向けに、BCG、水痘、日本脳炎など、さまざまな予防接種が行われる。一方、65歳以上の人向けには、肺炎球菌ワクチンの予防接種が行われる。しかし、ワクチンの種類によっては、接種率がなかなか高まっていないものもある。

 集団免疫の考え方を理解したうえで、毎年予防接種を受けてない人は、まずは受ける習慣をつけてみてはいかがだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン