芸能

反復だらけの『まんぷく』 画家の妻がモデルに嫉妬しすぎ

演技力には定評のある役者が揃っている

 その展開については物議を醸すものとなっているのが今回の朝ドラである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 即席ラーメンを開発した安藤百福夫婦がモデルのNHK朝ドラ『まんぷく』。開始からすでに4ヶ月過ぎましたが、見ていてもう「まんぷく」。なぜなら、まんぷくならぬはんぷく・反復だらけだからです。

 ドラマが始まった当初、萬平(長谷川博巳)が3回も逮捕されるエピソードが繰り返された時は驚きましたが、しかし考えてみればあれはまだ序の口でした。

 萬平の妻・福子(安藤サクラ)はいつも同じ発想でいます。萬平が逮捕されたり自宅が差し押さえられたり、池田信用組合理事長の座を辞任することになっても、「大丈夫、萬平さんはきっと何かを発明してくれます」「あなたはモノ作りができる人ですから」と念仏のように繰り返す。そうした妻の言葉に発明家の血が騒ぎ研究に没頭する萬平──という構図が続いています。

 福子の姉・克子(松下奈緒)は焼きもち妬きのワンパターンにはまっています。夫で画家の忠彦(要潤)が美人モデルを描くことにキーキーと怒る。一度ならまだしも全く同じような設定で「画家の妻がモデルに嫉妬」というエピソードを2回も描く朝ドラに、視聴者も呆れ始めているのではないでしょうか。

 ワンパターンは他にもあります。

 福子の姉で亡くなった咲(内田有紀)が、重要な局面でたびたび夢に登場してくるパターン。咲が福子に助言するとその方向へと物語が展開していく。最近は視聴者もそろそろまた出てくるな、と予感するほどです。

 しかし考えてみると、朝ドラの主人公と言えば、悩んだり迷ったりしながら何とか自分の力で道を切り拓いていくという、葛藤と成長ぶりが見どころではないでしょうか? 福子はどこか葛藤が深くなく苦悩もあまりない印象です。それはもしからしたら、「ここぞ」という時には咲が出てきて展開を決めてしまうパターンのせいかもしれません。主人公の成長と変化が、その分際立たなくなっているのではないでしょうか。

 そして福子の母・鈴はいつも文句や小言、反対意見を口にします。しかし、そのうち掌を返したように賛成、というパターンの繰り返し。福子の子どもたちは、友達から「ラーメン」と呼ばれていじめられている、というエピソードの繰り返し。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン