子供用サプリ成分徹底比較【その2】
消化力や免疫力の強い大人であれば食べても平気なもの、たとえば生肉や傷んだ生鮮食材などでも、子供が食べれば重症化することは多い。子供が口にするものは、注意するに越したことはないし、そうした知識は大人こそ知っておかなければならない。
とはいえ、「せっかく能力を伸ばすチャンスがあるならば、のませてあげたい」と思うのも、親心だ。添付の表に、現在売られている主な子供用サプリと含まれている主な成分をまとめた。どれが自分の子供に合っているのか、どうしたら安全にとれるのか、検証していこう。
◆不眠改善の成分が配合されたものも
まず、身長を伸ばすことを目的とするサプリの成分にはカルシウム、ビタミン、アルギニンなどが目立つ。
「たとえば、ビタミンCは水溶性です。つまり、摂りすぎても尿として体外に排出されます。しかし、ビタミンAやビタミンDなどは脂溶性で出ていきにくい。ビタミンAを過剰摂取すると、頭痛、脱毛、吐き気、食欲不振、ビタミンDを過剰摂取すると、錯乱や心拍リズムの異常をきたすリスクがあります。アルギニンは水溶性ですが、過剰摂取により胃腸など消化器官に影響を及ぼし、胃痛や下痢を起こす可能性があるため注意が必要です」(成田さん)
鉄分を含む製品も多い。
「こちらも摂りすぎると肝臓にたまり、肝機能に影響することがあります。医師でも鉄剤の処方は神経を使います。摂取量に注意してほしい」(成田さん)
「クワンソウ」という成分が入っているものもある。
「不眠を落ち着かせる作用のある植物エキスを配合しているようです。たしかに成長には深い睡眠が欠かせませんが、身長を伸ばす効果があるかは難しいところでしょう」(医療ジャーナリスト)
◆DHAはとればとるほど頭がよくなるわけではない
では「脳にいい」とされるサプリはどうだろう。表に掲載したすべての商品にDHAが含まれている。
「DHAやEPAはいわしやさばなどの青魚に多く含まれる魚油で、乳幼児の脳や神経の発達に欠かせない成分とされ、母乳にも含まれることがわかっています」(成田さん)
オーストラリアの研究では、健康な乳児287名を対象とした研究で、DHAを摂取した場合とそうでない場合では、12か月時と18か月時の言語発達評価項目に向上の差が認められたとの報告もある。ただ、一度に大量摂取するよりも、毎日こまめに摂取する方がいいと成田さんは話す。
「DHAと似た性質を持つ植物油は、過剰摂取でアトピーなどアレルギー疾患を引き起こすことがわかっており、米国食品医薬品局は、魚に含まれるDHAやEPAを合計し1日2gを超えないよう警告しているからです」