異様な状況の背景に、「男子コーチの弊害」を指摘する声もある。ロンドン五輪テニス日本代表監督で解説者の村上武資さんが指摘する。
「女子テニス界は、男子コーチが圧倒的に多い。また、1人の時間を作ることが多い男子選手と違って、女子選手は男子コーチと、試合や練習以外でも時間を共有する場合が多い。お互いを理解しながら信頼感や安心感を得るためですが、一方でお互いの距離の取り方が難しくなり、私情を挟んだり、うまくいかなくなるケースもあります」
そんな異性同士の組み合わせだからこそ、試合が盛り上がるという側面もある。それを象徴するのが、4大大会以外で女子だけに認められているオンコートコーチングだ。
「チェンジエンドやセット間にコーチの助言を受けられるルールで、男子選手はすべての大会で認められていません。試合中のコーチとのやりとりが視聴者にも聞こえてエンターテインメント的な要素がある一方で、女子選手がコーチの助言に頼り切りになってしまうリスクもあります」(前出・村上さん)
新コーチ探しはドバイ大会終了後に着手するという。これが世界1位の“孤高の英断”か否かは、彼女自身が証明する。
※女性セブン2019年3月7日号