「X線」と「CT」の比較
肺がんの5年生存率は、ステージIでは81.8%だが、ステージIIでは48.4%と大きく下がる。ステージIIIでは21.2%、ステージIVでは4.5%と、発見が遅れれば遅れるほど進行して手遅れとなる。ステージIで見付かるか、ステージIIより進行した状態で見付かるかの差は大きい。
「X線検査は1~2方向からしか撮らないため、心臓や胸骨、血管などが重なることで死角ができ、小さながんが見えにくい。一方、人間ドックのオプション検査などで行なわれる胸部CT検査は画質が高く多方向から撮るのでミリ単位のサイズのがんも見付けられる。先進国の肺がん検診は既にCT検査が主流となっています。
X線検査は、結核や肺炎の発見にも役立つので無意味な検査ではありませんが、がんを患った親や兄弟がいる人や喫煙者は年に1回、せめて2~3年に1回はCT検査を受けたほうがいいでしょう」(上医師)
自分の身を守るためには、検査の「実力」を知ることが肝要だ。
※週刊ポスト2019年3月1日号