国内

「小学生プロ棋士」が次々誕生 囲碁界で低年齢化が進む背景

「女流棋士採用試験」に見事合格した小学6年生の上野梨紗さん(12)

 今年に入り、囲碁界がおおいに湧いている──。“天才囲碁少女”の小学生が相次いでプロ棋士になったからだ。なぜ棋士の低年齢化が進んでいるのか。囲碁ライターの内藤由起子氏がその背景をレポートする。

 * * *
 新年早々、囲碁界で9歳の天才少女・仲邑菫さんがプロ入りするニュースが駆け巡ったのを覚えておられる方も多いだろう。その興奮冷めやらぬ状況の中、続いてまたもや小学生のプロ試験合格者が誕生した。上野梨紗さん12歳、小学6年生だ。

 仲邑さんは世界で戦える才能を認められ、新設された「英才特別枠」採用で、ライバルとの対局などは打たずにプロ入りを決めた。かたや上野さんは従来からある「女流棋士採用試験」で合格。総当たりリーグ戦で予選10局、本戦8局を打ち、堂々と1位となってプロ入りを決めた。

 小学生でプロ入りを決めたのはこれで6人となった。仲邑さん、上野さん以外の4人は、井山裕太五冠や趙治勲名誉名人ら、みな歴史に名を残す活躍をしている。年少でプロになるということは、それからの伸びしろが大きい証でもあり、仲邑さん、上野さんの今後の活躍がなんとも楽しみだ。

 ところで、小学生でプロ入りを果たしたのはたった6人しかいないのに、なぜ今年は2人も続いたのだろうか。

 その背景を辿ると、2002年度から始まった「ゆとり教育」が批判され、2011年ころから「脱・ゆとり教育」が提唱され始めた時期がターニングポイントとなった。多くの子育て・教育雑誌などで、子どもの成長によい影響を与える習い事として、こぞって囲碁が紹介されたことが大きい。

 また、子どもに特化した囲碁教室や囲碁サロンが多く誕生していた背景もあった。2000年から「新宿こども囲碁教室」を始めた棋士の藤沢一就八段は、こう振り返る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン