──「AKATOKI」とは?
小山:日本語の「暁」に由来し、未来に向けた可能性を表現しています。ロンドンを皮切りに世界の主要都市に打って出て、一流のラグジュアリーホテルブランドに育てたいという思いを込めました。
──これからのプリンスホテルの課題は?
小山:私自身を振り返ってもそうですが、昭和や平成の前半は「体育会系の価値観」の時代だったように思います。仕事にしても、上から「とにかく走れ」と言われたら、何が何でも走っていた。「考えるより動く」が美徳とされた時代でした。
しかしこれからはそうではなく、自分で「どうやったら成功できるか」を考え抜く時代です。野球にたとえたら、どういうプレーをすれば相手が嫌がるかを監督のサイン待ちではなく、その場面、場面で考えられる選手が必要です。
ホテル経営もスポーツとまったく一緒だと考えています。自ら考えて答えを出し、それを実行に移せる行動力が必要です。ポスト平成では、この力を持つホテルマンが企業の行く末を左右する。一層の人材育成を心がけたいと思います。
【PROFILE】こやま・まさひこ:1956年、兵庫県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、プリンスホテル入社。2006年執行役員、2015年常務執行役員、2016年取締役常務執行役員、2018年4月副社長を経て、2018年6月より現職。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。各業界の企業を幅広く取材。
※週刊ポスト2019年3月8日号