芸能

立川志の輔 会場の空間を活かす共演者や構成・演出

志の輔の魅力を落語通が語る

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、演じる「空間」を大事にする落語家、立川志の輔についてお届けする。

 * * *
 立川志の輔は、落語を演じる「空間」を大事にする落語家だ。

 志の輔にとっての「空間」とは、立地条件や共演者も含んだ「ライヴのあり方」を意味する。青山・草月ホール(1994~1998年)や赤坂・サントリーホール(1999~2004年)の会ではミュージシャンが出演していたし、新宿明治安田生命ホールでの「志の輔らくご 21世紀は21日」(2001~2009年)ではロビーゲストや、松元ヒロのパントマイム・ニュースがあった。

 本多劇場で1997年から始めた「志の輔らくご in 下北沢」はもともと落語と一人芝居で構成され、2005年には文楽とのコラボも行なわれた。『牡丹灯籠』は2006年からのことだ。2009年からの赤坂ACTシアター公演では2012年以降「前半で『忠臣蔵』全段を解説し、後半は落語『中村仲蔵』を演じる」のが恒例となっている。

 2013年にEXシアター六本木でこけら落とし公演を行なった志の輔は「音響面で落語に不向き」と判断、以来遠ざかっていたが、会場側が問題を解決して志の輔を納得させ、「年末に『歓喜の歌』を聴く会」としての「志の輔らくご in EX」が2016年より3年連続で開催された。

 そして志の輔はこのところ銀座の観世能楽堂でも独演会を開いている。2015年まで渋谷区松濤にあった能楽堂の舞台が銀座に移設されたのは2017年のことで、同年6月に志の輔は3日間の開幕記念独演会を行ない、昨年と今年は1月に「志の輔らくごGINZA MODE」が12日間の正月興行として開催された。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト