ビジネス

大きいサイズの服専門店が増え小さいサイズ専門店がない理由

小柄な女性は洋服選びに苦労している

 ようやく春らしい気候になり、春物の洋服を新着しようと買い物に出かける人も多いだろう。だが、自分の体系にぴったり合う洋服がなかなか見つからないと嘆く人もいるはず。近年はメンズでもレディースでも大きなサイズの専門店はあっても、逆に小さなサイズを豊富に取り揃える店は数少ない。一体なぜなのか。ファッションジャーナリストの南充浩氏が解説する。

 * * *
 洋服は極めてサイズに厳格な衣服だといえます。布を巻き付ける方式の民族衣装なら、ある程度のサイズは調整できますが、洋服はそんなわけにはいきません。とはいえ、完全に体に貼りつくほどのジャストサイズだとレオタードみたいになってしまいますから、幾分かのゆとりがなくてはなりません。

 洋服の場合、平均的な体型を集めたJIS規格というものが存在し、それを基にSMLなどのサイズが決められています。ただし、このサイズはブランドごと、洋服のデザインごとに少しずつ異なり、例えばユニクロのMなら着られるけど、若者向けブランドのMだとピチピチになってしまう──ということは珍しくありません。

 しかも、近年はJIS規格のSMLでは間に合わない体格の人も増えています。とくに街中を見ていると170cm前後ある背の高い女性が増えたと感じます。こうした長身の女性はJIS規格のLサイズでも手脚の長さが足りません。

 最近ではベルーナやベルメゾンなどの通販ブランドによっては、Mサイズだけど背の高い人向けに「TM」というサイズの商品も販売されています。このTとは「tall(背が高い)」の意味で、「TM」とは「tallなM」を示しています。

 このほかにも身長は平均的だけど非常に恰幅の良い女性もおられ、そういう人向けにはLL、3L、4Lなどのラージサイズが一部のブランドからは展開されています。ラージサイズの需要は確実にあるものの、そのサイズを展開しているブランドの数はあまり多くないことから、買い物難民が発生しやすい状況にあります。逆にそれを扱っているブランドやショップを見つけることができれば、選択肢が少ないこともあり、ロイヤルカスタマーになってくれます。

 こうした需要は決してマスでボリュームゾーンにはなりませんが、常に一定数量あります。ですからそれを取り込もうとする企業がそれなりに現われ始めています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン