ビジネス

仙台「命を救う医療施設」の最新工法 大震災の教訓活かす

昨年完成した救急センター(C棟)

 東日本大震災から8年。激震に見舞われた地で災害に強い医療現場が昨年2月に誕生した。宮城県仙台市を見渡す高台に建つ「仙台オープン病院」だ。

 同病院は1976年に開設され、年間1万人以上の救急患者を受け入れてきた。1998年には国内初の地域医療支援病院に指定。高度な医療機器や多くの病床が必要な場合、他の地域医療機関にも施設を開放する「オープンシステム」と呼ばれる診療体制をとっている。東日本大震災でも被災地の重症患者を多数受け入れた。

 新たに救急センター(C棟)が建設されたのは、より災害に強い医療機関を目指したためだ。茂泉善政・院長代理兼救急センター長が言う。

「健診センターや手術室などが入るA棟、B棟は2006年に免震構造を採用していたので、震災直後でも滞りなく手術や治療を行なうことができた。しかしそうでない旧・救急センター棟は書類棚が次々と倒れ、機能しなかった。C棟の建て替えで目指したのは、災害拠点病院として地震に強い建物に生まれ変わることでした」

 東日本大震災の教訓を活かし、随所に工夫が凝らされている。救急車の乗降場には高速シートシャッターを設置し、天候に左右されない患者の安全な搬送を可能にした。さらに救急搬送をスムーズにするため、国内最大級の大型エレベーターを導入している。

「患者さんも医療スタッフもそのまま乗り込めるので、エレベーター内部での処置も可能になりました。本当に重宝している」(同前)

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン