中高年世代の奥歯には銀歯のクラウンが装着されていることが多い。これが長期間経つと、食事中やガムに付いて外れてしまうのだ。
1990年代までは、銀歯のクラウンを装着する際に、リン酸亜鉛セメントなどが主に使用されていた。このセメントでは、分子レベルで隙間があるので、外れるだけでなく、菌が侵入して虫歯が再発する(二次カリエス)リスクが高い。気づかぬうちに虫歯が進行している場合もある。
銀歯以外のクラウンとして、自費のセラミックを勧める歯科医もいるが、表の通り費用がはね上がる。
現在では銀歯以外にも保険で、白いCAD/CAM冠を装着できる。これも、レジンとセラミックのハイブリッド素材だ。ただし、保険適応には条件があるので歯科医に相談してほしい。
●レポート/ジャーナリスト・岩澤倫彦(『やってはいけない歯科治療』著者)
※週刊ポスト2019年4月5日号