ライフ

「うるさい患者ほど治りやすい」かかりつけ医と薬局が重要

市販薬を買う際も、薬局で相談するのがいい(写真/PIXTA)

 病気を早期発見するためには、症状を気軽に相談してアドバイスをもらえるような、かかりつけ医の存在が強い味方になるが、薬ののみ方については、かかりつけの薬局をつくるのも必要だ。薬の重複やのみ合わせに気づきやすくなると薬剤師の堀美智子さんは言う。

「眼科、内科、整形外科と別々の病院に通うから、各病院の医師が何をのんでいるのか全体を把握できていないことがあります。薬の情報は一冊のお薬手帳にまとめる。できれば、同じ薬局に行くようにしましょう」

 なかには、複数の薬局に通っている場合、薬局ごとにお薬手帳を変えて何冊も持っている人がいる。

「高齢者に多いのですが、自分でも管理しきれなくなるので、やめた方がいい。どの病院に行っても同じお薬手帳を医師に見せれば、『この薬を使っているなら、この薬は出さない方がいい』と判断できるはず。市販薬を買うときも、お薬手帳を持って薬局スタッフに相談すべきです」(堀さん)

 新田クリニック院長の新田國夫医師はかかりつけの薬局とともに、かかりつけの医師を持つことを強くすすめる。

「専門医は自分の専門領域でのみ、患者を診察するため『今のんでいる薬は治療に必要だ』と言うでしょうし、専門外の病気でのんでいる薬はおそらく減らせない。求められるのは、その人の生活を含めて全体を見てくれる、かかりつけ医の存在です。個人の状況に応じて不必要な薬を判断し、患者と相談することで最小限にすることができるでしょう」(新田さん)

 アメリカでは、患者が医師に相談するのは当たり前だという。

「アメリカ人は不必要な薬はのみたくないと主張する人が多い。そのため、医師に処方された薬の必要性について質問します。セカンドオピニオンも当たり前。日本人は医師の指示に受け身で、セカンドオピニオンも少ない。自分の薬のことはもっとたくさん質問や相談をすべきです」(アメリカ在住の医師・大西睦子さん)

 堀さんは、「うるさい患者さんほど病気が治りやすいというデータもある」と言う。

 クスリがリスク化をしないために、まずは「物言う患者」になることから始めたい。

※女性セブン2019年3月28日・4月4日号

関連キーワード

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン