島根の自民党国会議員には竹下氏、最大派閥の細田派会長である細田博之・元官房長官という2人の派閥領袖に加えて、“参院のドン”と呼ばれて引退後も国政に影響力を持つ青木幹雄・元自民党参院議員会長という実力者がいるが、県議たちの造反を抑えることができない。
ポスト安倍候補、岸田文雄・政調会長が長く県連会長を務めていた広島でも、県政重鎮の引退で夏の参院選がキナ臭くなってきた。
改選数2の広島選挙区は岸田派大幹部の溝手顕正氏が改選を迎えるが、党本部は河井克行・首相補佐官の妻で県議の河井案里氏を「2人目の候補者」として擁立する方針を固めた。
「広島には新旧2人のドンがいる。岸田氏の後見人的存在である林正夫・県議(78)が引退を決めると、そのライバルで非主流派に追いやられていたかつてのドンの檜山俊宏・県議(74)が力を盛り返してきた。参院選に出る河井案里は檜山派だから、岸田さんも出馬を止めることができない」(自民党市議)
島根でも広島でも、自民党の大物議員たちは、地元のドンがいなくなると地元議員のコントロールを失って選挙を仕切ることさえできずに右往左往している。
「地方政界のドン 50人」その1
「地方政界のドン 50人」その2
「地方政界のドン 50人」その3
「地方政界のドン 50人」その4
※週刊ポスト2019年4月5日号