日本山岳会常務理事の神長幹雄さんも、偶然、山の上で皇太子さまと出会われた。
「もう30年も前の話ですが、南アルプスの赤石岳を登山中にたまたま殿下とすれ違ったんです。初のテント泊山行を体験されるということで、殿下はかなり大きなザックを背負っていらっしゃいました。それから1年あまりして、殿下は日本山岳会の“会員”にもなっていただきました」(神長さん)
神長さんが最近、皇太子さまに会ったのは、女性で初めてエベレストを登頂した登山家の田部井淳子さん(享年77、2016年逝去)が亡くなられた時だ。
「田部井さんの追悼小冊子を殿下にお届けしようと侍従のかたに連絡を取ると、『殿下が田部井さんのご遺族に、お言葉をかけたいとおっしゃっています』と言うので、ご主人と息子さんと一緒に御所にお伺いしたんです。対面時間は『30分』と言われていたのですが、殿下は熱心にお話を聞いてくださり、大幅に時間をオーバーしてしまいました」(神長さん)
経験と出会いを繰り返し、皇太子さまの優しいお人柄は揺るぎないものへと構築されていったのだろう。
※女性セブン2019年4月25日号