【3】「TVで遊ぼう!ぼくはプラレール運転手」(2000年)、「スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」(2016年)
【名作プラレール・すごいギミック部門(3)】ダブルカメラドクターイエロー(2016年)。前面にカメラが搭載されていることが確認できる(筆者撮影)
時は2000年、プラレール界に大きな衝撃を与えたものがあった。それはカメラのついたドクターイエローだ。専用のコントローラで車両の操作が可能で、さらにテレビにつなげることで、プラレールの前面展望を見ることが可能である。
そしてその16年後、最新技術を搭載して復活した。車両も700系を種車とする新しいドクターイエローになった。また再生機器もテレビではなく、スマホに変わった。そして前面展望に加え、車窓映像を楽しむことができるようになった。大きな進化だ。スマホを使わないと操作できないことから、子どもひとりで遊ぶというより、親同伴で遊ぶことを前提に設計されたのではないかと感じている。
この車両は揺れを抑えるためなのか、車輪も特別なものとなっており、研究されて作られた車両だと実感する。ちなみにこのセットは、2016年日本おもちゃ大賞(イノベイティブ・トイ部門)を受賞している。
このように60年間では様々な車両が発売されてきた。今回紹介できなかったが、雪玉を吐き出すもの、リモコン操作ができるもの、大きな橋を渡るものなど、多岐にわたる。この記事で少しでもプラレールに興味をもっていただけたのであれば幸いである。
京都市鉄道博物館では、プラレール60周年の記念展示を5月7日まで行っている。またGWには「プラレール博」が東京で開催される。長いGWにプラレールを見に行ってみてはどうだろうか。なお、ここで掲載した車両の多くが、残念ながら廃盤となっているので注意していただきたい。
プラレール60周年おめでとう。筆者はこれからもプラレールの益々の発展を期待する。
※参考文献/『プラレール大図鑑2004~2005』(ネコ・パブリッシング)、『プラレール超図鑑』(ポプラ社)のほか、タカラトミーの製品カタログ、同社ホームページを参照
●取材・文/早稲田大学鉄道研究会プラレール分科会