ぶらり街歩きには最適な季節。三井財閥総帥の玄孫であるタレント・團遥香が「日本坂道学会」会長の山野勝氏を案内人に、東京の坂を歩いた。
山野:東京23区には、名前が付く坂が約640あるんですよ。
團:そんなに多いのですか!
山野:このうち、江戸時代に名前が付いた坂は約500に上ります。明治以降に命名された坂は約140。この胸突坂は元禄10(1697)年にできた名坂です。
團:タイムスリップしたかのような、江戸情緒が感じられる美しい坂ですね。勾配がかなり急ですが、なぜ胸突坂という名前になったのでしょうか?
山野:ここは江戸屈指の急坂。胸を突き出すようにして歩かないと上り切れないから、胸突坂と呼ばれるようになったんです。
團:坂上すぐの目白台には、肥後熊本藩主細川家伝来の美術品などを公開する永青文庫もあり、散策が楽しいですね。素朴な疑問ですが、江戸時代に多くの坂に名前が付いたのはなぜですか?